野菜ソムリエの“薫る旬感”
ひな祭りで願うもの・・・
★春の香り漂う★ ひな祭りは、「桃の節句」「上巳の節句」「弥生の節句」などの呼び名があり、五節句(「人日」「上巳」「端午」「七夕」「重陽」)の一つにあたります。起源は平安時代までさかのぼり、健康と厄除けを願い、自分の災厄を紙人形に引き受けさせ川に流したそうです。これがいわゆる“流し雛(ながしびな)”です。 いつの世も願うことは変わらないものですね☆ ひな祭りといえば、さくら餅やうぐいす餅、ひし餅、ひなあられ・・・と、カラフルで春らしいお菓子がたくさん並び、見ているだけで気分が軽やかになります。じつは、これらの色にも、ちゃ~んと意味があるんですよ。 ・赤~厄を払って解毒作用があると言われるクチナシで色をつけ、健康を祝う桃の花を表わす。 ・白~地域によっては、菱の実を入れるところもあるそうです。清らかさを意味して雪を表わす。 ・緑~解毒効果・血液循環を良くする蓬(よもぎ)を入れ草を表わす。 赤・白・緑の三色の餅をひし形に切って重ねたひし餅は、まさに、これから芽が伸びてきて花が咲き始める春のイメージにぴったりですね♪野菜が豊富ではない時期の中での、先人たちの知恵や工夫もうかがえます。 この時期になると、“なぜ、さくら餅とうぐいす餅がセットになって並んでいるのか?”という謎が解けたのではないでしょうか(笑)。 “花のピンク色”、“葉っぱの緑色”・・・あとは、雪が融けて“茶色の土”が顔を出してくれれば春の訪れです☆ ちょっぴりわき役の様な存在になりがちなうぐいす餅ですが、意味を知ると特別な存在に見えてきそうですね(*^_^*) ところで、このさくら餅(←写真左)を見て違和感を覚える人もいるのでは? さくら餅には、大きく分けて2種類あります。 道明寺(上方風桜餅)~道明寺粉を使った生地で、小豆餡を大福のように包む。 長命寺(江戸風桜餅)~もち粉か白玉粉に小麦粉を混ぜた生地を薄焼きにした皮で、小豆餡をクレープのように包む。 最近では、江戸風桜餅も見かけることがありますが、北海道は上方風桜餅が主流です。つぶつぶ食感と葉っぱの香りが何とも言えません!葉っぱも全部、丸ごと食べちゃいます♪ ちなみに、この葉はオオシマザクラの塩蔵葉で、“クマリン”という成分が桜餅の良い香りとなっています。ポリフェノールの一種であるクマリンは、抗酸化作用や抗菌作用があり血液をサラサラにしてもくれますが、大量に摂取すると肝毒性があるのでご注意を!適量に食べるからこそ、美味しくて体にも良いんですね(^_^)v 明日から3月!ひな祭りを迎えると、だんだんと春の足音が聞こえてきそうです。北海道の降り積もった雪も、あとひと月ほどでなくなることでしょう。春よ早くこ~い☆ 野菜ソムリエ 木田靖代 2014/2/28 |